住まいレポート

METHODOLOGY

この数字は、どうやって出しているか

画面に出る金額は、すべて決まった式から計算しています。生成AIが金額を作ることはありません。ここでは式と前提、そして数値を出さないと決めている条件を公開します。

最終更新 2026年9月5日

全体の決まりごと

このサービスの数値は、次の3つの決まりで動いています。

  • 計算は決定論的に行う。同じ入力と同じ計算バージョンなら、いつ何度実行しても同じ結果になります。 金額の計算に生成AIは使いません。
  • 数値は一点でなく幅で出す。前提が変われば結果は変わります。前提と幅を一緒に示します。
  • 出せないときは空欄のまま残す。データが足りない地域では、それらしい数字を埋めずに、出せない理由を書きます。

家計維持可能な参考予算帯

金融機関が貸してくれる上限額ではありません。生活費・貯蓄目標・将来支出を差し引いて 残った余力から、逆算した金額です。

毎月の返済にあてられる額

手取り月収 − 生活費 − 他の債務の返済 − 貯蓄目標の月割 − 将来支出の月割 − 安全余白 − 管理費等

安全余白は手取り月収の5%。管理費・修繕積立金・固定資産税は「保有コスト」としてまとめて差し引きます。

借入可能額

毎月の返済にあてられる額から、元利均等返済の式で逆算

年利は12で割って月利とします。金利・期間はご自身で設定できます。

参考予算帯

借入可能額 + 頭金 − 購入諸費用

購入諸費用は購入価格の8%として見込みます。金額は10万円単位で切り捨て、低いほうへ丸めます。

頭金は、手元の金融資産から生活防衛資金を残した額が上限です。生活防衛資金は 「生活費 + 他の債務の返済」の6ヶ月分としています。

あわせて、金利が1ポイント上がった場合と手取りが20%減った場合に毎月いくら不足するかも 計算します。これは予算帯の上限まで借りた場合の不足額です。

買う・借りるの比較

住む年数ごとに、買った場合と借りた場合の累計費用を並べます。どちらが正しいかは 決めません。年数と前提しだいで入れ替わるためです。

買う側の累計費用

初期費用(頭金 + 諸費用)+ 累計返済額 + 累計保有コスト − 売却で手元に残る額

売却で手元に残る額は、売却価格 − 売却費用 − ローン残債。売却費用は価格の3.5%として見込みます。

借りる側の累計費用

累計家賃 + 累計共益費 − 手元に置いたままの資金の運用益

買う側で頭金として出ていく現金を、借りる側では運用に回せると考えます。機会費用を二重に数えないための扱いです。

両者の差が小さいときは、どちらかを選ばせません。「前提依存が大きい」と表示して、 何が効いているかを示します。

個別住戸の参考価格レンジ

似た条件で実際に売れた事例を集め、その㎡単価の分布をこの住戸の面積に当てはめた幅です。不動産鑑定評価ではありません。機械学習モデルによる推定でもありません。

集める条件

同じ駅圏 / 面積 ±20% / 近い築年帯 / 直近の四半期

最低15件を集めます。条件を広げたときは、1回ごとに必要件数を10件ずつ増やします。ゆるい条件のまま少ない事例でレンジを出さないためです。

参考価格レンジ

集めた事例の㎡単価の25〜75パーセンタイル × この住戸の面積

データ信頼度Cの地域では10〜90パーセンタイルまで広げます。細かい条件での比較ができないぶん、幅を広く取ります。

モデルによる推定中心値は出していません。公開できる精度の基準を満たすモデルが まだないためです。「まだ出せません」と表示し、数値は作りません。

所在階・向き・眺望・管理の状態・修繕積立金の残高・リフォームの有無は、 公開されている成約データに含まれていないため、この計算に入っていません。 同じ建物の同じ広さでも、これらで価格は動きます。

この先の価格の前提

将来の価格を当てにいく予測モデルは載せていません。載せるための条件を満たしていないためです。 代わりに、単純な前提を並べて、どこまで動きうるかを示しています。

  • 変化なし — 比較の基準です。
  • 過去の推移が続く — その地域の成約㎡単価が過去に描いた傾きを、そのまま先へ伸ばします。四半期ごとの 中央値の対数をとり、最小二乗で傾きを求めます。始点と終点だけで測ると端の四半期に 振られるためです。
  • 築年による減価だけが効く — 築年帯ごとの㎡単価の差から、1年あたりの下がり方を求めます。別々の住戸を築年で 並べたものであり、1戸を追いかけた値ではありません。
  • あなたが置いた変化率 — 設定した割合をそのまま当てはめます。

これらは足し合わせません。 相場の推移はあらゆる築年の取引を含んだ動きなので、築年の減価と重ねると 同じ効果を二度数えることになります。別々の「もし」として並べています。

並べた前提は、どれも起こりやすさを示していません。確率の幅ではなく、前提の幅です。 金利・人口・駅の利用者数といった要因は、どの前提にも直接は入っていません。

次の住まいへ移るときの資金

6年後・8年後・10年後に売った場合、ローンを返して手元にいくら残るかを計算します。

ローン残債

元利均等返済の返済予定表から、その時点の残高を計算

売却後に残る額

想定売却価格 − 売却費用 − ローン残債

売却費用は価格の3.5%。仲介手数料・登記・引っ越しなどを見込んだ概算です。

残債を返しきれる売却価格

ローン残債 ÷ (1 − 売却費用率)

これを下回ると、売っても返しきれず持ち出しが必要になります。

税制・住宅ローン控除・団体信用生命保険の価値は、いずれの計算にも入っていません。

データ信頼度(Coverage Tier)

地域によって、公開されている成約データの厚みは大きく違います。同じ機能を全国で 同じ精度で出せるふりはしません。地域ごとに階層を判定し、階層に応じて出せる機能を 変えています。

階層意味
A駅圏・築年・面積帯まで十分な成約データがあります。
B駅圏または地区の単位で十分な成約データがあります。
C市区町村の単位でのみ安定しています。細かい条件での比較は精度が落ちます。
D都道府県の単位でしか集計できません。地域ごとの比較には使えません。

階層Aは、許諾を得た住戸単位のデータがない限り出しません。公開データだけでは 住戸ごとの違いを捉えられないためです。

個別住戸の参考価格レンジは階層C以上、この先の価格の前提は階層B以上でだけ出します。 階層が足りない地域では、その旨を表示して数値を作りません。

数値を出す・出さないの境目

「データが足りない」の基準を、実装と同じ値で公開します。件数だけを見ると、 期間が虫食いの地域でも条件を満たしてしまうため、件数と期間の両方を見ています。

条件基準満たさないとき
四半期ごとの成約件数10件その四半期の中央値を出しません
系列全体の成約件数30件相場チャートを出しません
値を出せた四半期の数4期相場チャートを出しません
値を出せた期間の割合50%データ信頼度を1段階下げます
参考価格レンジに使う事例15件参考価格レンジを出しません
推移の傾きに使う四半期8期「過去の推移が続く」を置きません
築年帯ごとの成約件数20件その築年帯を減価の計算に使いません

生成AIの役割

金額の計算に生成AIは使いません。数値はすべて、バージョンを付けた計算式から出しています。

生成AIに任せるのは、計算済みの判定を日本語の説明に言い換えることだけです。 レポートの「AIによる要約」がそれにあたります。

AIには数値を渡していません。渡すのは5つの軸の判定と各章の状態だけで、金額は含みません。 数値を持たせなければ、数値を言い間違えることが構造的に起きないためです。 生成された文は、表示する前に禁止表現と金額表記の検査を通し、 通らなければ作り直すか、表示しません。

この計算でわからないこと

  • 特定の住戸が実際にいくらで売れるか
  • 売却が成立するかどうか、成立までにかかる期間
  • 所在階・向き・眺望・管理の状態が価格に与える影響
  • 税制・住宅ローン控除・団体信用生命保険の価値
  • 金利・人口・地域の開発計画が今後どう動くか

使っているデータの範囲と時点はデータの出典に、よくある疑問はよくある質問にまとめています。